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第82回佐賀県泌尿器科懇話会に参加しました

2022.09.26

 2022年9月24日、第82回佐賀県泌尿器科懇話会に参加しました。

 コロナ禍が収束せず、現地およびWEBによるハイブリッド方式でしたが、会場には多くの先生方が集まりました。

 

 一般演題は全6題。第3席で私前田が、

「当科におけるエンホルツマブ・ベドチンの治療成績」という題で発表しました。

 転移性尿路上皮癌の三次治療として期待される薬剤ですが、まだ発売間もなく、当科では6例のみ治療経験がございました。その中で治療が奏功した症例もあり症例提示をしました。  

 また副作用として特徴的である皮疹も多く経験しており、皮膚科医の協力も必要となる可能性が高いこともお伝え出来たかと思います。多くのご質問ありがとうございました。

 

 

 第5席では、8~9月にローテートしている研修1年目 中村 和樹先生が、

「スケートボードによる尿道外傷の1例」の題でご発表されました。

 本症例から、スケートボードによる会陰部外傷が意外と多いことも分かり、泌尿器科医として会陰部を保護する啓蒙活動が必要と感じました。また、当教室の野口 満先生が作成委員をされた、「泌尿器外傷診療ガイドライン2022年版」が本年8月20日に発行されており、改めて尿道外傷の診療アルゴリズムを学ぶことができました。

 また、この発表で特に感心したのは、中村先生の落ち着いた話しぶり、言葉遣いが非常に良かったことです。研修を回り始めた頃と比べると各段に上達しており、これは日々症例のプレゼンテーションで中村先生が言葉遣いを意識して発表していたことが身を結んだのだと感じました。ぜひ今後とも培ったプレゼン能力を活かして診療に励んでいただきたいです。

 また中村先生は10月15日の九州連合地方会でもご発表予定ですので、成長を楽しみにしています。

 

 

 特別講演では大分大学医学部 腎泌尿器外科学講座 教授の秦 聡孝先生にお越しいただき、

「前立腺癌の精緻な局在診断と多様化する薬物療法」という題でご講演いただきました。

 前立腺癌の局在診断におけるMRI検査の有用性や、それを先進的にfusion biopsyを取り組んでいたり、拡大リンパ節郭清の適応を決めるノモグラムを調査したりと、大変感銘を受け、勉強になる内容でございました。貴重なご講演をいただきまして、誠にありがとうございました。

 

 

(文責 前田晃宏)

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