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特色ある医療

筋層浸潤性膀胱癌に対する
動注化学療法

はじめに、筋層浸潤性膀胱癌に対する標準的根治療法は膀胱全摘除術です。ただし、膀胱全摘除術は侵襲が大きく、尿路変更も必要となるため術後のQOLについても配慮が必要です。特に超高齢化社会を迎えた本邦では、手術が困難と判断される高齢患者さんは今後増えてくることが予測されます。

佐賀大学では高齢者や併存疾患により膀胱全摘除術が困難と考える筋層浸潤性膀胱癌患者さんに対し、動注化学療法を行っております。薬剤はエピルビシン(30mg/m²)、シスプラチン(70mg/m²)を用い、両側大腿動脈から血管カテーテルを留置し、内腸骨動脈内へ注入する方法で行います。患者さんによっては放射線照射も併用します。この治療により、膀胱温存ができた症例や血尿などのイベントを来さず経過をみることができた症例を経験しております。


著効した1例

動注化学療法 5ヶ月後 動注化学療法

治療成績

●2015年1月~2022年12月の期間、17名(男性11名、女性6名)、平均年齢79.2±5.8歳、平均観察期間11.1±9.0ヵ月。
8割以上の患者様が血尿や膀胱タンポナーデのイベントを来さず、膀胱癌による死亡を避けることに寄与しております。

治療成績

治療成績
第76回西日本泌尿器科学会総会第76回西日本泌尿器科学会総会